2017年10月、二週続けて襲来した台風が残した東伊豆町稲取、磯脇石丁場に姿を現した刻印石。

2017年10月、日本列島を二週続けて台風が襲来しました。東伊豆町稲取の磯脇石丁場内に広がる磯丁場は台風による大波で地形が変わる程、大きな影響を受けていたのです。
遊歩道の防波堤を越えた大波は、防波堤内を海水で満たし、満たした海水に大波が襲いかかり遊歩道直上の民家石垣を波で洗ったのです。
地形の変化が気になっていましたが、磯丁場への探索機会がなく、状況を把握していませんでしたので二年ぶりに磯を歩いてみました。
東伊豆町稲取田町地区の堤防から磯釣りで有名な黒根岬に続く遊歩道の終端。台風の大波に洗われた民家の石垣と隣接する土手に驚愕、興奮、大絶叫の江戸城築城石が姿を現していたのです。

▲民家の石垣に組み込まれた矢割石。松平土佐守の刻印が二つ刻まれている。

▲「○に二」「柏一葉」の組み合わせ刻印近景。

民家石垣に組み込まれた矢割石に「○に二」「柏一葉」の刻印が刻まれているではありませんか。使用大名は松平土佐守。新発見の刻印です。隣接する土手には角石まで確認出来たのです。

▲土手から姿を現した角石。

▲角石の上に根を下ろした松の木。

海岸線に目を向けると大型角石。おそらく積船時に落下させてしまい江戸まで運ばれることがなかった石材でしょう。石材を移動時に落下させると落城に繋がるとして、江戸まで運ばれることがなかったのです。

▲積船時、落下させてしまった波打ち際の角石。

今回の発見は、磯脇石丁場で確認されていた「越前」の刻字と刻印、多数の矢穴が開けられた大岩と崖上に鎮座する「進上 松平土佐守」の銘文が入る角石の存在から松平土佐守こと山内忠義の大規模石丁場の存在を裏付ける証となるでしょう。

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