向山石丁場の涸沢、上流域の石材は石質が悪く、石工の手が付けられていない自然石が多く点在しています。
写真の巨石も石質が悪く、
矢割跡、矢穴、刻印は無いと思っていました。
高さが3m近い巨石のため、見上げる状況で石表面を観察していたため、
刻印が刻まれていることに気が付かなかったのです。
巨石上部から、やや俯瞰気味に見ると二つの刻印が刻まれているではありませんか。
石面の風化が激しく、正確な刻印の形が解りませんが、
おそらく隣接する本林石丁場で複数確認出来る、
「井形紋」と「釘抜紋」の組み合わせのようです。