見事にタガネ処理された完成角石です。
南側小口には「進上 松平土佐守」の文字が刻まれ、
稲取地区に現存する御進上石十個の内の一つとなっています。
昭和52年に地元の青少年達により発掘調査されましたが、
以降、放置状態となり、
角石からわずか数メートル上の舗装路からは廃棄物の不法投棄がされている有様です。
非常に完成度の高い角石で、
長年、土砂に埋もれていたため保存状態が良く、
町内の文化財角石よりも素晴らしいのですが、
東伊豆町は放置状態を続けているのです。
国の史跡となった小田原、熱海、伊東の石丁場の角石の多くは江戸の運ばれ、
現存するのは多くの刻印石と刻字、割石が殆どなのに比べ、
東伊豆町の山中にはこの様な素晴らしい完成角石が多数残され、
築城石切り出しから成形まで計り知ることが出来るのです。
しかし、嘆かわしいことに東伊豆町はいくつかの角石を文化財指定するだけに留め、
貴重な石丁場保全について何もしていないのです。
職務放棄状態・・、どうにかならないでしょうか?