矢穴が開けられた巨大な岩体の至近距離、斜面上部に大型矢割跡を持つ割石が存在していました。
林道横の石垣に積まれた矢割石の中にも大型矢割跡が見つかるため、
寛永十二年に採石を行ったと思われる九鬼大和守久隆以前に同地区で慶長時代、別大名家によって採石されていた可能性があります。
稲取地区には慶長時代、松平土佐守忠義が百々越前を派遣して大規模な石丁場を有していましたので、
松平土佐守の切出し石材ではないかと思われます。


この付近の江戸城築城石に関する石材は、東伊豆町発行の資料に記載がなく、
未踏査エリアのため築城石採石の痕跡は全て新発見となります。


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