熱海市 中張窪石丁場、謎の文字刻印石。

昨年、国の史跡に指定された熱海市、中張窪石丁場です。
文字刻印石が複数確認されている石丁場として、注目されています。
今回、メインルートと思われるコースで潜入してみました。

羽柴右近文字刻印石
「羽柴右近」文字刻印石

石丁場に入って先ず現れるのは、
「羽柴右近」と刻まれた文字刻印石です。
羽柴性で刻まれていますが森忠政の刻印石です。

「是ヨリにし 有馬玄番 石場 慶長十六年 七月廿一日」の文字刻印石。
「是ヨリにし 有馬玄番 石場 慶長十六年 七月廿一日」の文字刻印石。

東伊豆町稲取地区の本林石丁場からも、多くの石材を切り出している有馬玄番頭豊氏の文字刻印石。中張窪石丁場、見所の一つです。

「慶長十九年」の文字を刻む文字刻印石。
「慶長十九年」の文字を刻む文字刻印石。

深く刻まれた刻印と共に「慶長十九年」の文字が刻まれています。
「大坂冬の陣」開戦の年です。

判読不能文字刻印石。
判読不能文字刻印石。

「慶長十九年」と刻まれた文字刻印石が存在する石丁場から引き戻す途中、斜面の自然石が視線に入り、尾根まで斜面を登ると山頂に向かって左側斜面に多数の矢穴石、矢割石、刻印石が点在していました。最標高と思われる矢割石から尾根沿いに下っていく途中、熱海市教育委員会が発行した資料に存在が記載されていない文字刻印石に遭遇したのです。思わず山中一人「何か書いてある!」と雄叫びを上げてしまいました。帰宅後、複数の資料で調べましたが該当する文字刻印石が記載されている資料がありません。
謎の文字刻印石、新発見なのでしょうか?

詳細はhttp://www.chikujohseki.com/chougai.html

「T」の刻印に隠された謎を解き明かす。

先日、半年ぶりに東伊豆町大川地区、谷戸山石丁場に潜入しました。
いよいよ石丁場散策、シーズンインの頃合いとなりました。

一枚目の写真は切り出し途中の角石(江戸城築城石)です。
手前小口に「T」の刻印が刻まれています。
切り出し角石と刻印の存在は以前より確認していましたが、周辺から同様の刻印が見出されず謎の刻印となっていました。
谷戸山-T刻印自然石

2枚目の写真は、切り出し角石小口に刻まれている「T」の刻印近景です。
東伊豆町発行の資料には、大川地区に於いて「T」の刻印は確認されていないようです。
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三枚目の写真は、切り出し角石から約30m北方向に存在する自然石です。
高さ約3.5m、幅約2.5mの巨石ですが、
上部にハッキリとした「T」の刻印を発見しました。
キリシタン大名は、時としてアルファベットの刻印を使用することがあります。

「T」の刻印が意味する大名は・・・。

他地区で「○にT」の刻印を刻んだ大名が存在しています。
羽柴越中守こと豊前小倉藩初代藩主、細川忠興。
婚姻関係にあった明智光秀の娘、細川ガラシャは徳川時代の代表的キリシタンでもあります。
しかし、東伊豆町大川地区には細川忠興が担当した石丁場があったことは、現在まで確認されていません。
もし今回、複数確認された「T」の刻印が細川忠興由来の刻印であったとしたら・・・、新発見ということになります。
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まだまだ、謎の多い江戸城築城石石丁場。
この貴重な文化財を後世に残すべく、今後も石丁場調査を進めていきます。